高野山大学にスピリチュアルケア学科を立ち上げる準備として、サンフランシスコの禅ホスピスプログラムを視察に行った時のこと。ラグナホンダ病院の緩和ケア病棟の中庭で見つけた風景です。
ここで亡くなっていった患者のご家族さんたちが、ボランティアとして手作りしたという中庭の一角にありました。
この世とあの世をつなぐ橋、渡るカメさんは命と長寿の象徴、そのカメさんの思い出を記したモニュメント。なんとホスピスにふさわしい風景ではありませんか…。
想い出してみると、あの時からもう20年近く経っています。ホスピスもスピリチュアルケアもそれなりに日本にも根を下ろしてきて、近くのホスピスの中庭にもお地蔵さんが置かれるようになりました。
考えてみると、私たちの人生の一瞬の中にも、いろんな世界を行ったり来たりする瞬間とその想い出が満ち満ちているのかもしれませんね。